ado は広い場所に抜け出して生き生きとしていた。 ado × 澤野弘之「Tot Musica」

adoちゃん（孫でもギリギリおかしくない）は「うっせえわ」「踊」「ギラギラ」のあと、どう使っていいか誰にも分からなくなっちゃったのかなと思ってた。タマホームCMにいい予感と悪い予感の両方があった。

この才能をとにかく埋もれさせず売り続けなきゃってことで精一杯で、ado とがっつり真剣勝負を楽しめてる様子ではなかった。結果的に「 ado っぽかったらいいんでしょ？」みたいな仕上がり以上になかなかならなくて消化不良に見えた。

そんなフラストレーションは心ある人々に共有されていたはずだ。

「この才能をいつかきっと、今度こそは」

adoの新作情報はYoutubeで通知は受け取っていたけど、ある時を境に悲しくなるのが怖くて聞けなくなっていた。

ましてワンピース関連は「海賊には興味ないわー」とスルーしてたのだ（と思う）。

映画音楽という「大きくて広い」容れ物が必要だった！

な、何これ。出だしのメロディーがハーフディミニッシュなのもアレだけど、これアレンジしたの誰？東京にはこんな魑魅魍魎がいるの？でもアニメ系でもないしボカロ系でもない。むしろヴァンゲリスの音が聞こえるぞ。これ映画音楽やん。

そうか、澤野弘之だったか！その手があったか。

adoが広い場所でのびのびしてるやん。自分と対決してるやん。そうか、育てる大人が出てきたか。よしよし。音楽監督さんかプロデューサーさんか分からんけどキャスティングした裏方さんもナイス。

澤野さんも進撃の巨人サントラのあと広い場所がなかった。というかアレを金字塔にして飾っておくだけでも至高の存在として十分な人生やんって思っていたのだが、それは私の過小評価でした。すみません。

アメリカを中心にポップスとかロックとかいう音楽が生まれて以降たくさんの試行錯誤を経てここに本物の「破滅の歌」が生まれたことを人類は誇りに思うべきだろう。